トラックボールでデザインの作業はできるのか?
パソコン操作で必要不可欠な「ポインティングデバイス」。皆さんは何をつかっていますか?
ノート型ならトラックパッド、デスクトップならマウスになるのでしょうか。最近はそれに加えてペンタブレットを使ったりしている方も多いと聞きます。私自身も様々なポインティングデバイスを使いつづけ、自分にあったものを模索してきました。
そして紆余曲折を経て落ち着いたのがトラックボールです。
今はケンジントンのslimbladeをメインに利用しています。
大玉タイプと呼ばれる人差し指や中指などでコロコロして、親指でクリック操作をするタイプです。
見た目もダイナミックでメカを操作している感満載です。
デザイン作業も出来る?
同業の人にトラックボールを使用していると話すと必ず聞かれるのが、「イラレどう?」「フォトショップいける?」です。ようはデザイン作業のような繊細な作業をトラックボールでできるの?ということですよね。
答えは、出来ます。
これは自信をもって言い切れます。全くデザインの作業で困ることはありません。寧ろマウスより良い部分が沢山あって仕事だからこそトラックボールがないと作業に影響がでてしまうくらいです。では、どんなところが素晴らしく、どんなところがちょっと困ったなのかを下述していきたいと思います。
カーソルの移動は?
これは正直マウスやトラックパッドでは太刀打ちが出来ないレベルで快適です。とにかく移動が早く、狙った場所にぴたりとあわせることができます。ボールを転がして止める。このアクションは想像以上にカーソル移動との相性がよく、最短距離を一直線に移動させることができてとにかく早いです。しかもコンマ何ミリにの細かい操作もあっさり実現できます。
手首までをワンセットで動かすよりも、指先だけの方が当然繊細なタッチはできますよね?
トラックボールは、まさにそこを利用して早くて細かい動きを実現させてくれます。
ドラッグ移動は?
これは正直に言います。慣れるまでストレスがマッハになります。
指を一本ロックした状態で他の指をぐりぐり動かすというのは思いのほか難しく、かなりドラッグ操作は最初は戸惑われる方が多いと思います。
illustratorの作業の大半は実はドラッグ操作ですよね。ペンツールで絵を描くのも、オブジェクトをキレイに並べてレイアウトするのもドラッグ作業です。正直こんなにドラッグ操作があるんだとトラックボールを使ってはじめて理解しました。Photoshopも同様で、こんなにドラッグ操作しているんだと痛感します。正直デザイン作業はトラックボールでは厳しいかなと思った瞬間もありました。
ただ、不思議と我慢して使っていたら突然ストレスなく使えるようになりました。
ホント突然だったきがします。力の入れ具合がわかるようになったのかもしれません。人間の対応力は半端ないですね。あっという間に出来るようになるのです。
出来るようになってしまえばこっちのもの。
前項のメリットがドラッグ操作でも遺憾なく発揮されます。
早く、そして正確に。デザイン作業のために開発されたのではないかと思うくらい快適に使うことができます。
ただ、上述の通りなれるまでのストレスは半端ないです。時間に追われる仕事でこれはホントきついです。
なので慣れるまでの期間を考慮した導入時期などを検討する必要はあるかもしれないですね。ポイントはそこだと思います。
良いところは?
重複してしまいますが、とにかくカーソルを早く正確に動かせるところです。ペンタブレットがこれに限りなく近い印象をもっていましたが、キーボードを触るときにいちいちペンをおかないといけないペンタブはどうしてもメインでは厳しくトラックボールには及ばないと思いました。
あと忘れてはいけない良いポイントは、体の負担がもの凄い軽減されるところです。マウスで肩こりに悩んでいる方は多いのではないでしょうか?私もその一人で、トラックボールを使うきっかけは肩こり解消のための環境作りでした。パソコンの操作で手首を動かさないで良いというのはとても大きいです。マウスは無線になってかかるテンションが軽減されているとはいえ、やっぱりあれだけの重量を動かし続けるわけなので負担はとてつもなく大きいのです。手首を動かさないという利点は、他のポインティングデバイスでは実現することができない大きなメリットだと思います。
悪いところは?
ケンジントンの営業マンなのではないかと誤解されかねないくらい大絶賛のトラックボールですが、良いところばかりでは当然ありません。マイナスポイントもいくつかあるので、それを下述したいと思います。
まずひとつめは、先に述べさせてもらった慣れるまで「時間」が必要というところ。これはとくに仕事場に導入する場合はリスクは大きいと思います。まずは仕事場に導入する前に自宅に導入してネットサーフィンとかざっくり操作でも大丈夫な作業から慣れるのがおすすめです。当時はマウスの偉大さを感じまくったものです。
次のマイナスポイントは、トラックボールのタイプによって感覚が大幅に異なるところです。
例えば自分が使っている大玉タイプと親指でコロコロする小玉タイプでは使う指が異なるので、はじめてのタイプを利用したときは初心者に逆戻りしてしまいます。これはなかなか厄介で、例えば自分は大玉で同僚は小玉タイプをつかっていたりすると、ちょっと変わってみたいな現場でよくあるヘルプ操作が非常にしずらいということが起こってしまうのです。みんなで気軽に共有したいときはトラックボールは厳しいかもしれませんね。
あと、トラックボールはカーブの動きに弱いです。
トラックボールは基本的に球体を転がす動きを利用するので直線的な動きが基本になります。その特性がカーソルを無駄なく最短距離で目的の場所に一直線に移動させることを実現させてくれています。なので意識的にカーブの動きをさせようとするととても操作しづいらいです。デザイン作業で、例えばPhotoshopでブラシを使ったりするカーブの動きを伴うアクションをする時はマウスの方が繊細な動きを実現出来ると思います。ただ、この操作はマウスでも使いづらい部分がありますし、実際こういう作業を行う時は殆どの方がペンタブを利用すると思うので大きな問題はないと思います。実際私もペンタブとトラックボールを使い分けているので。
そして最後は、手入れが面倒というところです。
トラックボールはボールに指の脂や埃がつくので、どんどん滑りが悪くなったり、感度がわるくなったりします。
それを避けるためにかなりこまめにボールや内部の掃除が必要になります。慣れれば習慣になるので困らないのですが、急いでいる時に反応しなくなったりするとやっぱりストレスはたまりますよね。私は数日に一回綿棒でゴミをとるようにしています。
細かい作業と長時間の作業をするなら尚更トラックボール
トラックボールは、体への負担をかなり軽減してくれるので、長時間の作業を強いられる環境にいる方にはとても良いと思います。
あと、とにかくカーソルを一直線に最短距離を高速に移動できるので、作業全般の時間短縮にも大きく貢献してくれます。
肩こりもなおしたいし、作業時間も短縮したい。そんな希望をもってポインティングデバイスを探している方は是非一回トラックボールを試してみてはいかがでしょうか?
きっと気に入って貰えると思います。
どのトラックボールがおすすめ?
細かい作業をするのは大玉タイプがおすすめです。球が大きい分、少しの移動にも距離感として対応可能なのでとてもやりやすいです。移動速度大玉の方がだいぶ早いです。
ただ、大玉タイプは慣れるまでの時間は中玉や小玉に比べると長いかもしれません。私自身は慣れるまで一ヶ月くらいかかりました。早く慣れたいと思う方は中玉タイプなどの方がいいかもしれませんね。マウスと同じような形のタイプのものもありますし、お店などで一回さわってみて移動速度や、細かい移動の感触を確認してどちらの方がいけそうか感じて頂くのが良いと思います。
それぞれ癖があるので種類別のレビューはまた改めてしていきたいと思います。